10月12日 子ども食堂県内で拡大

埼玉新聞2018年10月7日1面:地域再生交流の場に 地域の大人が子どもたちに無料や低料金で食事を提供する「子ども食堂」の取り組みが、県内で広がっている。県の調査によると、8月末時点の県内の子ども食堂の数は43市町で123ヵ所に上り、前年同時期の32市町76ヵ所から大幅に増加。全国には約2300ヵ所あるとみられており、県は「子ども食堂は単に貧困層の救済にとどまらず、幅広い世代の交流の場になっており、地域コミュニティー再生の拠点として重要な役割を担っている」と、今後も拡大するとみている。
前年比47増123ヵ所 7月から8月にかけて、県内の市町村や「埼玉県子ども食堂ネットワーク」(県内約50カ所の子ども食堂が参加する任意団体)が把握する団体にアンケートを送付し、回答をまとめた。市町村別の子ども食堂の数は、さいたま市が15カ所で最多。次いで川口市13カ所、所沢市9カ所、上尾市と越谷市が6カ所と続いた。活動場所は「公民館、コミュニティーセンターなど」(34.1%)と「店舗」(31.7%)が多く、そのほかにも個人宅やNPO、デイサービス、生協、寺院、教会、病院など多岐に渡った。活動回数は「月1回」が42.3%で最多。次いで「月2回」17.1%、「週1回」11.4%の順で多く、「週5以上」も4.9%あった。
地域や経済的困窮度といった利用条件を設けていないケースは全体の78.2%と、8割近くに上った。そのうち対象者は「誰でも」が65.5%と大半を占め、「子どもと保護者」は10.9%、「子どものみ」は1.7%だった。県少子政策課は「地域の実情によって、活動の主体は多種多様で場所や回数も異なるが、条件を設けず誰でも利用できるようにしているケースが多い」と話す。子どもの居場所を広げるため、県は11月26日、大宮ソニックシティ(さいたま市大宮区)で「こども食堂フォーラム」を開く県内各地の子ども食堂や学習支援教室など、子どもの居場所づくりに取り組む団体や活動を支援する企業がブース出展するほか、ミニ講演会も行う。午後0時半~同5時。入場無料。
だんらん通じ生きる力学ぶ 越谷 「こんにちは」。午後6時ごろ、1階で遊んだり勉強していた子どもたちが、おなかをすかせて2階に上がってきた。お待ちかねの夕食タイムだ。NPO法人「地域こども包括支援センター」(越谷市越ケ谷)が運営する「越谷こども食堂」では、平日は毎日午後5時から同8時ごろまで、土曜は隔週で午前中から昼過ぎまで、子ども食堂を開設。食事の無料提供をはじめ、学習支援や制服のリユースなども行っている。
約30人いる登録者のうち日替わりで毎日5~6人が食堂を利用。この日は小学生5人がテーブルを囲んだ。メニューはピラフ、サンマのかば焼き、マカロニサラダ、枝豆に果物のナシも付いている。「いただきます」と手を合わせ、食事とだんらんを楽しんだ。野口和幸理事長(51)は「子どもたちはおなかを満たすだけでなく、学生ボランティアや地域の皆さんとの交流を通じて、コミュニケーション能力や礼儀作法などの生きる力を身に付ける『自己肯定感』も生まれ、夢や希望を持てるようになる」と目を細める。食材は、生活困窮者らに無償で提供する「フードバンク」や、家庭で余っている食べ物を学校や職場などに持ち寄り、地域の福祉団体やフードバンクなどに寄付する「フードドライブ」の取り組みによって無料で調達。調理はボランティアが担う。野口理事長は民間団体「埼玉県子ども食堂ネットワーク」の代表でも努める。「一番の課題は開設場所。子ども食堂は、小学生でも歩いて来られるよう小学校区に1軒あるのが望ましい」と話す。その上で「大阪の小学校では、家庭科室を開放している例もある。県内でもそうした取り組みが広がれば、数が大幅に増える。子ども食堂は、まさに地域コミュニティー再生の場」との考えを示した。(三宅芳樹)

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