1月31日 人生の贈りもの

朝日新聞2019年1月25日30面:「声なき声」に支えられながら 管内胆管がんと診断され、5年前に手術を受けました。2ヵ月ほどテレビ出演を見合わせましたが、ありがたいことにどの局も代役を立てず私の復帰を待ってくれました。「どうしたんだ?」心配してテレビ局に電話をかけて下さった視聴者が少なくなかったそうです。まさに「声なき声」と言っていいかもしれません。ですが、私たちのような仕事は声なき声に支えられているのです。《大阪読売の社会部長だった黒田清さんも、先輩のジャーナリスト本田靖春さんも筑紫哲也さんも街を歩き、市井の声に耳を傾けた。接した人たちも「この人なら話していい」と思ったのだろう》
一方で、「上から目線」の記事は読んですぐ分かりますよ。あんたの言うことはもっともらしいけど俺らの言うことは分かるのかよ。もっともらしい理屈や立派な論を掲げるけど、そもそもあんたはどこうなんだよ。新聞不信の背景には、そんな思いがあるのではないでしょうか。《著書『事件記者という生き方』の中でメディアの危険性について書いた》 やさしさを失った力は権力となり、暴力に姿を変えてしまう危険性さえあります。コメンテーターとして心がけているのは物事を「ああだ、こうだ」と断定的に解説しないこと。読者や視聴者と一緒に考えようという姿勢です。
それにしても最近のメディアはどっしり構えることが苦手だなあ。声の大きい人ばかりを気にしているようにも見えますよ。ぶつかったっていいじゃないですか。我々の世代はあえてぶつかることを生きがいにしていたところもあったけど、僕らのような人間相手の仕事は軋轢や衝突から学ぶものも多いはずです。もちろんどうしょうもない組織だと感じたらやめてもいい。ただ、どんなにつまらないと思える組織でも、目を外に向ければ読者はきちんと読んでいるし、視聴者もきちんと見てくれているんです。(聞き手 編集委員・小泉信一)

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