1月29日てんでんこ 伝える「12」正念場

朝日新聞2019年1月23日3面:資金集めは「全然足りていない」。このままでは「倒産」と市外からも募る。 地方のコミュニティーFMの多くは、担い手と運営資金に頭を悩ませている。津波常襲地帯の三陸沿岸はラジオの必要性が高いのに、過疎や経済基盤の弱さから特に深刻だ。岩手県大船渡市の「FMねまらいん」は、スマートフォンから聴ける独自アプリの利用者が約5700人いて、津波の時などに登録者の居場所を把握することもできる。
同市出身のパーソナリティー伊藤こずえ(30)は東日本大震災で家族の情報を知るのに苦労したのがきっかけで、青森県の大学を卒業後、同県内のFM局に就職。ねまらいんの開局を知って地元に戻った。昨夏は台風襲来に備え、局に泊まり込んで情報を伝えた。しかし、5人のパーソナリティーのうちフルタイム勤務は伊藤だけ。しかも3人は近隣の市から通っているため、日中以外の対応が難しい。昨秋にパーソナリティー1人が体調を崩して辞め、緊急時どころか普段の放送のやりくりさえ厳しくなっている。機器の補修あり、開局以来続けてきた早朝の生放送を今月、休止した。「災害時に備えて普段から聴く習慣をもってもらえる時間帯に生放送をやめるのはもったいない」と、伊藤は残念がる。資金集めはもう1人のフルタイム職員、斉藤晴美(51)が担当する。小学生が出演する番組などを企画してスポンサーを開拓するが、「全然足りていない」。震災で過疎化が進んだ人口3万6千人の市では限界がある。
切り詰めても年間約2千万円の運営費は必要だ。2017年度からは震災対応の国の緊急雇用助成金もなくなり、行政からは市の情報を流すことでもらう年300万円のみだ。各地の臨時災害FMがコミュニティーFMになって残ろうと模索した。だが、多くが踏み切れなかかったのはこうした事情からだ。
ねまらいんを運営する防災・市民メディア推進協議会理事長の鈴木英彦(76)は「近隣市町にもエリアを広げたり、議会中継して放送料を取ったりできれば」と行政に協力を求めるが、いい返事はない。「このままでは倒産だ」と市外のスポンサーも募っている。一方、鈴木が社長を務める地域紙の「東海新報」は、震災で激減した読者を少しずつ取り戻しつつある。理由は震災時の対応にあった。(東野真和)

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