1月29日 人生の贈りもの 大谷昭宏13

朝日新聞2019年1月23日30面:黒田さんに見守られている気分が 黒田清さん(元大阪読売社会部長)と一緒に起こした「黒田ジャーナル」ですが、事件取材は社会部時代と変わりません。思い出すのは1997年に神戸市で起きた連続児童殺傷事件。殺害現場となった通称「タンク山」に毎日のように登りました。見た目は大した山ではないようですが、実際に歩いてみると、足元はぬかるんでいましたし、木は生い茂っていましたし、頂上まで行くのは結構大変だったんです。当時66歳の黒田さんは軽々登っていましたね。ですが、膵臓がんを告げられ、手術を受けたのはそのころです。2000年1月に肝臓がんへの転移が分かり、再び入試たんです。《ミニコミ紙「窓友新聞」の巻頭言(同年7月号)が黒田さんの最後のコラムになった。森喜朗首相(当時)の「神の国」発言を憂え、「せめて野党は大きい枠組みで、統一政策を掲げ、日本の国の構造を変える決意を示してほしい」と書いた。7月23日、69歳で亡くなる》
葬儀会場は事務所近くの太融寺(大阪市北区)です。黒田さんがよく飲み歩いた盛り場の中にあり、本人の望みでもあったんです。「窓友新聞」の読者との集いを開いてきた場所でもありました。葬儀委員長を務めた私は「あなたほど、『社会部長』という言葉の響きが似合う方はいなかった。もっと言えば『社会部長』という言葉の忌引きはあなたのためにあるように思えてならなかったのです」と弔辞を読みました。
《まもなく黒田ジャーナルは会社清算手続きに入った。「窓友新聞」は黒田さんの追悼号となった8月号を最後に休刊となった。大谷さんは事務所とスタッフを引き継ぎ、新たに「大谷昭宏事務所」として活動を始めた。いまは、記者は私ともう1人、スタッフ1人の小さな事務所です。ですが、メディアの仕事に組織の大きさは関係ありません。「負けたらあかんでぇ」というもどこかで黒田さんが見守ってくれているような気がするのです。(聞き手 編集委員・小泉信一)
*写真:報道・情報番組の本番前。出演者らで打ち合わせ=大阪市の朝日放送テレビ、堀内義晃撮影

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