1月28日てんでんこ 伝える「11」多重化

朝日新聞2019年1月22日3面:「災害が起きてからでは遅い」。必要性を唱えたのは地域紙の社長だった。 岩手県大船渡市のショッピングセンターで6日、コミュニティーFM「FMねまらいん」の公開放送があった。100人ほどのファンが集まった。ショッピングセンターはスポンサー。初売りを紹介したり、地元出身の芸能人が次々にゲストで登場したりした。スタッフに差し入れした女性は「訪問介護の仕事の移動中に聞く。道路や天気の情報がありがたい」。ねまらいんの前身は、臨時災害FMだ。2011年3月11日の東日本大震災から20日後に開局した。市は1年で閉局しようとしたが、市民から継続を求める声があがった。
この年の12月、NTTPCコミュニケーションズ社員(当時)の福山宏(54)が大船渡市長の戸田公明(69)を訪ねた。行方不明者や遺留品を検索するシステムをつくるなど、被災地支援を続けている。福山は市民の声を受け、災害時に防災無線だけでなく情報伝達を「多重化」することが必要だと訴えた。携帯メールや無線、FMで一斉に情報を流せる仕組みを提案した。市は災害FMを1年延長したうえ、国から総額3億5千万円の補助を受け、情報を多重に流す仕組みをつくった。補助金のうち7600万円で、常設のコミュニティーFM向けに必要な機材などをそろえた。
東海新報社長の鈴木英彦(76)も、震災直後に停電して携帯電話も通じなかった経験から。地域のラジオ局が必要だと痛感した。東海新報は大船渡市を中心とした地域紙だ。情報を防災無線などで知ったとしても、刻一刻と入る情報を継続して繰り返し伝えることにラジオは優れている。鈴木は「災害が起きてから開局しては遅い。普段から整備し、聞く習慣をつけなければ」という福山の提案に賛同し、地元企業などに必要性を唱えた。
12年8月、コミュニティーFMを運営するNPO法人「防災・市民メディア推進協議会」を設立、理事長になった。13年4月、震災後の東北3県で初めて、臨時災害FMから新設のコミュニティーFMへ移行した。名付けた「ねまらいん」は、「座ってお休みください」という方言に由来する。協議会は学校の休校などの情報を保護者にメール配信する「地域のきずなサービス」などもするが、最も活躍しているのはFMだ。ただ、その運営は楽ではない。(東野真和)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る