1月28日 夜間中学は今「下」

東京新聞2018年1月19日2面:程遠い文科省の設置目標 検討は都道府県の1割 「全国都道府県に少なくとも1校」の公立夜間中学の設置目標を掲げた文部科学省。だが、今は8都府県に計31校にとどまる。東京都に8校、大阪府に11校など都市圏に集中しており、北海道や東北、四国、九州以南に1校もない。国が夜間学校の普及促進にかじを切ったことを受け、設置の検討に入った都道府県は2017年7月現在、1割強止まり。義務教育を終えていない人が全国で4番目に多い福岡県は設置の予定がなく、担当者は「通学希望者がどの地域にどれほどいるのかが不明」と二の足を踏む。県立中学は複数あるが、周辺に夜間中学の十分な需要があることが確認できない限り、併設は難しいという。
沖縄県は、民間のフリースクールが運営する夜間中学に通う高齢者に、就学援助をしてきた。戦中や戦後間もない時期に学齢期だった人向けの事業だったが、対象者が減り、本年度末の打ち切りが決まっている。沖縄県は、義務教育を終えていない若者や大人がいることや、公立校を望む声も把握している。だが、担当者は「新設にはお金も教員も必要だ」と慎重な姿勢を示す。教員給与の3分の1は国の負担だが、設置費や教員の確保は自治体が負うためだ。
全国にはボランティアらが運営する「自主夜間中学」や識字講座あ300以上ある。公立でも学校法人でもないため、原則として中卒資格は得られない。高校進学には認定試験に合格しなければならず、高校入学を目指して何年も通う人もいる。施設の提供や補助金で支援する自治体はあるが、大半は運営側の努力で無償授業を支えている。
国が愛知など公立夜間中学のない5県で行った意識調査では、約1700人が「夜間中学に通ってみたい」と回答した。福岡市博多区の自主夜間中学で20年以上教えている木村政伸・九州大教授(教育学)は「憲法が教育を受ける権利を保障しているのに、現実は程遠い」と指摘。「通いたい人が100人いればつくるが、10人ならつくらないというのは変だ。わずかでもいれば公立校で支えるのがあるべき姿だ」(大野暢子)

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