1月26日 夜間学校は今【上】

東京新聞2018年1月17日2面:10~70代 多様な生徒 外国人8割「勉強楽しい」「いつか大学に」 東京都の江戸川区立小松川第二中学校には、昼間に生徒が通う校舎と道を隔てた南側に「夜間学級」の校舎がある。夕暮れが近くづくと、窓の明かりが増え始める。制服はなく、生徒たちは思い思いの服装で登校してくる。
通うのは10~70代の約50人。午後5時35分から9時すぎまでで、給食や清掃、定期試験もある。8割を占める外国人の出身国は、ネパールや中国などさまざま。日本人の高齢者や若者の姿もある。学級は9クラスあり、日本語の習熟度で分かれている。13人の教員が必修9教科に加え、日本語が分からない生徒への日本語教育も行う。2017年12月中旬、同級生や教員の前で一人一人が作文を発表する「みんなで話す会」が開かれた。
「日本で大学を卒業し、いい会社で働きたい。みんなで勉強や運動を頑張りたい」。ネパール人のギミレ・アシムさん(18)は手元の紙に目を落とすことなく、流ちょうな日本語で1分以上のスピーチを終えた。病気で中学に長期間通えず、学び直しに励む田島秀男さん(72)は、バスの中で少年が大人から不当に怒られている場面に遭遇し、彼を十分にかばえなかったときの後悔を作文に込めた。
毎日、昼すぎから自習を欠かさず、高校進学を目標にしている。「英語と数学が難しい。この年齢になると覚えられなくて‥」。手元のプリントには丁寧な字の英文作が並んでいた。中学以上の勉強が分からないことで、仕事でも苦労を重ねてきた。退職後、「このままでは死んでも死にきれない」と同校の門をたたいた。「勉強が分かると楽しい。いつか孫にもいいところを見せられるかな」と笑った。
公立の夜間中学は現在、8都道府県に計31校ある。国が全国的に増設の後押しを始めたのを受け、小松川二中には視察や入学希望の相談が相次ぐ。横沢広美校長は「多様な生徒が意欲的に学ぶ姿を見てもらうことが普及につながる」と確信する。首都圏では19年度、埼玉県川口市と千葉県松戸市が、新たに公立夜間中学を開校する見通しだ。(大野暢子)

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