1月23日 オトナになった女子たちへ 伊藤理佐

朝日新聞2019年1月18日29面:わたしのアクアフレッシュ きょねんの暮れのことじゃった。ご近所飲み会で、子供たちが歌いながら踊ってて、なになに? USAって聞こえるけど? ん? って、なった。うちのムスメも踊っている。なんか踊り、激しくない? 右のママが言う。「うちのパパ、忘年会でこれ踊って、左ひざ痛めて」 みなさんが、笑う。正面のママも言う。「生協の会合でさ、駅前で待ち合わせして、ラインで『みんあUSA踊りながら待っていると!』ってふざけたら、まじめなママだけ小さく踊ってて」 たまたまみなさんが、笑う。この歌、紅白に出るらしい。復活したダパンプだって。ダパンプは知っている!
って、いや、ダパンプ、アルファベットだ。やばい。これ相当、はやっている。知らない。また、あれか。「浜ちゃんのアクアフレッシュ」か。
「浜ちゃんのアクアフレッシュ」とは。アクアフレッシュは、ご存じ、有名な3色の歯磨き粉なのだが、ダウンタウンのまっちゃんが「浜田は高校の時、すごい厳しい寮生活しててテレビ見てなくて、あれだけ流行ったアクアフレッシュをしらなかったんやで~」的なことを言って、わたしはテレビの前でドッと笑ったのだった。20年くらい前だろうか。「日本に住んでアクアフレッシュ知らないなんてスゲー!」と、衝撃をうけて、なんかひとつのモノサシになった。
それは人をはかるモノだったが、ずいぶん前からモノサシの角に自分があたって痛い。「浜ちゃんのアクアフレッシュ」が多すぎて傷だらけだ。その日、自分が「アクアフレッーシュー」(CMの発音)なことを、黙って帰った。いつも「それ、知らねー」って、飛んできた球をレシーブ、笑ってトスしえもらってたのに、傷をかばってサボったのだ。別の場所で、バンドとかやっている音楽に詳しい人が「オレ、USA年末に知ったわ」と、アタックしてきた。わたしのうしろに球が転がった。コートにひざまずいた。自分の仕事をサボったことを新年早々、とても反省している。(漫画家)

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