1月22日 未来ノート 白井健三

朝日新聞2018年1月14日13面:心に「おけと水」原因は常に自分にある 2017年の世界選手権で白井健三(21)はオールラウンダーとしての確かな一歩を刻んだ。初めて出場した個人総合で3位。7連覇のかかる内村航平(29)が予選でけがをして棄権するアクシデントも重なる中での孤独な戦いだった。「今までで一番考えて取ったメダル。やってきたことが詰まっている」と振り返った。演技や技への思考力を身につけたのは、鶴見ジュニア体操クラブに移り、中学2年で出会った水口晴雄コーチ(58)のおかげだ。
「一度、手を出した技は千回諦めるな」と説く一方で、練習で補助をしなかった。集中力ややる気に欠けるとみると、「きょうは練習しなくていい」といわれた。水口コーチのもとを離れたいま、「失敗した原因を探すのは楽しい。失敗はいい練習方法を探させてくれる」という。脳裏に強く残る水口コーチの話がある。おけと水のたとえ話だ。「おけはいまの自分の器や技量で、水は頑張っている練習量。選手は水を入れたがる。つまり、難しい技を身につけようとしたがるけど、技量が小さければ、あふれていくだけ。地道に基礎練習をして、おけを広げる作業が一番大変だといわれた」
いまでも、うまくいかないときはおけと水の関係を頭に思い浮かべる。「もしかして、これは自分の器が足りていないんじゃないかと。器具のせいかとか、周りのせいにせず、原因は常に自分が持っていると思えるようになった」 スポーツをしている子どもたちに伝えたいメッセージを聞くと、「自分を信じて」と即答した。「自分がやれると思えたらなんでもできる。周りに流されずに思っていることを最優先でやってほしい。親や指導者も無理だとはいわないであげてほしい」
それはまさに自分自身が育ってきた環境そのものでもある。(潮智史)

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