1月21日 平成とは 台湾「8」

朝日新聞2019年1月16日夕刊10面:「遠方の朋」に肩入れ 香港返還を果たし、中国国家主席の江沢民は「将来は台湾だ」と語ったが、台湾総統の李登輝は直後の記者会見で退けた。「台湾は香港ではない」。英国領だった香港と違い、だれかに統治されているわけではない台湾は「ひとつの国」。それが台湾人の感覚だ。李はその後、中国がいう「一国二制度」どころか「二国諭」で独立の意向を示していく。李が退いた後の2000年には、独立志向の民進党の陳水扁が総統に当選した。国民党側の分裂に加え、貧しい農家に生まれて弁護士になった「台湾ドリーム」の体現者とされ、支持を広げた。49歳の若さとスピードのうまさも際だっていた。
投開票の直前に「独立は許さない」と牽制していた中国には衝撃の結果だった。北京勤務を終え、外務部のデスクだった私は特派員から現地の様子を聞く立場にいた。中国の記者や研究者から「台湾は本当に独立する気なのか」と聞きたがる電話を何本も受けた。
陳が再選された04年、私は中国総局長として2度目の北京勤務になり、中国があからさまに国民党に肩入れする場面に出くわした。中国共産党総書記の胡錦涛が05年春、国民党主席の連戦を北京に招いた。内戦を戦った「国共」トップの60年ぶりの階段だ。政党間の対話とはいえ国家主席の胡が人民大会堂で連と握手し、「朋あり遠方よりきたる、また楽しからずや」と語る姿が生中継された。
共同声明は「台湾独立に反対し、台湾海峡の平和と安定を追求する」とした。国民党なら、ビジネス相手として重要な中国とうまくつきあえるー。そんなイメージを台湾向けに発信する狙いは明らかだった。私は、連の同行者を宿泊先のホテルに訪ねた。「大陸と離れては生きていけない」「ビジネスも大陸がメインだ」。そんな声ばかり聞いて、思った。「中国は統一のためなら何でもする」。執念を感じた。 (藤原秀人)

 

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