1月15日 オトナになった女子たちへ 益田ミリ

朝日新聞2019年1月11日25面:流星群に願いごと きれいな夕焼けに心を揺さぶられる。同じ空は二度とない。二度と巡りあえぬと思うと、急き立てられるように眺めてしまう。雨上がり、虹が出そうなときは、裸足でかけて行くサザエさんみたいに表へ飛び出している。空に描かれる美しいものたちを前にすると、ワレワレは宇宙の星のひとつで暮らしているのであるな、と感動するのだった。流星群にも胸が弾む。流れ星がじゃんじゃん見られる絶好のチャンスである。
とはいえ都会の夜は明るい、月は見えるが、星などほんの少し。そんなわけで、昨年松、ふたご座流星群を見るために船に乗った。真っ暗な海の上で流れ星を観察しようという計画である。夜の8時前に大阪南港を出航し、翌朝、福岡の新門司港に到着する大型客船。以前、ひとり旅で同じ船に乗ったことがあるのだが、レストランや売店、なんと大浴場まで備わっている。ゲームコーナーもある。クレーンゲームを試してみた。
狙った腕時計は取れても着けないのわかっているくせに、むきになって7回チャレンジ。失敗に終わる・・。深夜、船のデッキへ。風は強く、冷たかった。しかし、防寒の準備にぬかりはない。もこもこ着込んで頭上を見上げれば、夜空はしっかりと暗かった。教科書で習ったオリオン座や北斗七星がよく見えた。瀬戸内海は揺れも少なく、夜空の観察にぴったりである。流れ星はどうだ? 空全体をじーっと見る。流れていた。じゃんじゃかというほどではないが、けっこう見えた。
小さな流星、大きな流星。他にもデッキに出ている人たちがいた。流れ星が見えるたびに「あっ」と言いたくなるのはみな同じである。流れ星に願いごと。間に合うわけがないと思っていたが、いやしかし、流星群の夜なら可能じゃないか? 待ち構えて願ってみることに。しばらくして立派なのが流れた。今年のことを願ったので、叶えば間に合ったということかもしれない。(イラストレーター)

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