1月14日てんでんこ 伝える「3」緊急放送

朝日新聞2019年1月10日3面:北海道を襲った地震。コミュニティーFMは夜通し情報を流し続けた。 北海道の各地を強い地震が襲ったのは、昨年9月6日の午前3時7分だった。札幌市から30㌔はどの恵庭市に住む浦美雪(42)は揺れで跳び起きると、すぐに明かりをつけ、同じ2階の部屋に寝ていた夫と3人の子どもの無事を確かめた。だが、10分もたたないうちに部屋は真っ暗に。自宅でそれから2日続く停電の始まりだった。テレビはつかない。AMラジオは震度7を観測する地震が起きたことを伝えていた。恵庭は震度5強。札幌の情報ばかりなので、地元のコミュニティーFM「e-niwa」に切り替えた。「落ち着いて行動してください」そう呼びかける男性パーソナリティーの声が流れると、激しい揺れと暗闇におびえていた小学5年の長男が「あ、お母さん、いつのも人だよ」と笑みを見せた。
だが間もなく不安を募らせるLINEがママ友たちから届く。午前6時55分「知り合いの消防士さんから! 午前8時付近に大きな揺れが予想されているそうです(自衛隊情報)」。午前6時57分「昼くらいから断水するみたいです」。一番下の息子が生後11カ月だったため、ありったけの鍋に水をためた。
「市からのお知らせです。ネット上で断水情報が流れているようですが、そのような事実はありません」約1時間後の午前8時半、FMがそう伝えた情報にほっとした。拡散した偽情報でペットボトルが買い占められるコンビニが出始めたため、番組スタッフが市に確認して打ち消しただ。停電は、道内のほぼ全域295万戸に及んだ。室蘭市の市民会館の窓口で働く橋本佳子(64)はその夜、家に供えていたランタンをともしながら地元の娘と3人で聴き続けた。
「〇〇地域の電気が復旧しました」市内で電気が通じた情報がラジオから流れてるたび、うちももう少しで電気がつくのだろうと不安な気持ちが薄らいだ。道内には18市2町に計27のコミュニティーFMがある。停電用発電機の燃料切れや予備電源の不調で電波が流せない事態に見舞われた局もあったが、何とか復旧させながら8割のFMが緊急放送を伝えた。スタッフ4人のe-niwaは避難所が閉じられるまで夜通しで63時間。スタッフ9のFMびゅーは60時間に及んだ。(岡本進)

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

ご予約・お問い合わせはお気軽に

Tel0120-740-276

〒352-0011 埼玉県新座市野火止8-14-29

ページトップへ戻る