1月14日 野球の国から 松井秀喜「7」

日刊スポーツ2019年1月10日4面:勝者の精神「目指さないと」 巨人とヤンキースでプレーしたきた松井には「盟主」とされる両チームのにおいと魂が染みついていた。2003年(平15)にヤ軍へ移籍した当時、チームの成熟度を肌で感じた。「もちろん、巨人とも違う。その年が一番、90年代の強かったヤンキースの薫りが残っていたように思います。みんな個性があって、スーパースターだった。けど、最終的に自分よりもヤンキースが勝つことを、言葉だけじゃなく体現出来る人が多くそろっていたと思います」強いだけでなく、本当に魅力のあるチームとはー。選手の資質、人種にかかわらず、「血」が必要だと力説する。18歳で巨人入りした松井は、長嶋茂雄との濃密な時間を過ごすうちに、チームに流れる伝統と歴史を「血」と受け止めるようになった。
「だれが理想のプレーヤーなのか。どういう選手なのか。どういう血が流れているのか勝負事だから勝ったり負けたりする。もちろん、勝たなきゃいけないけど、巨人には長嶋さん、王さんV9という、素晴らしい見本の歴史がある。巨人の強いDNA、それがファンに伝われば、勝っても負けても、応援してもらえると思います」 ヤ軍入り後も同じような空気、においを感じた。勝敗だけでなく、専守の立ち振る舞いが、ファンを引きつけることを痛感した。
「ベーブ・ルース、ジョー・ディマジオ、ミッキー・マントル、ヨギー・ベラ、レデク・ジーター・・彼らが引き継いだものが、強いDNA。勝った、負けただけでないんです」 勝つうえで、他球団の有力選手を補強することも必要かもしれない。だが、それだけではない。松井はチームが大切にしてきたメンタリティーの重要さを「DNA」として表現した。「長嶋さん、王さんが、これまで球界に対して、何をしてきたのか。それを我々は再認識しなくちゃいけない。ONが残してくれたものを感じさせるチームになってほしいと思います」 打撃、投球にかかわらず、細かな技術を指導できるコーチは少なくない。だが、巨人、ヤ軍の「血」が流れる松井は、異なる視点を持ち合わせていた。将来、若い世代に何を継承していくべきか。
「選手として、どうあるべきか。勝つか負けるよりも、それは徹底して、選手に伝えていくしかないと思っています」日米の伝統球団が積み重ねてきたDNAには、共通点がある。シンプルな言葉を続けた。「Winning spirits(勝者の精神)。それを目指さないと」昭和の時代を背負ったONの遺伝子は、平成を駆け抜けた松井にも、着実に継承されていた。 敬称略 (四竈衛)

 

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