1月13日てんでんこ 伝える「2」地域FM

朝日新聞2019年1月9日3面:「被災者も地域密着の情報を必要とする」。ネットを通じて発信する。 そのメールが「サイマルラジオ」に届いたのは、2011年3月、東日本の太平洋沿岸が大津波に襲われてから10日後だった。「本日から『りんごラジオ』が開局しました。実家の情報を知りたい為、ご対応いただけないでしょうか」サイマルは、全国各地で小範囲のエリアに放送する「コミュニティー(地域)FM」が連携し、ネットで各FMの番組を流す。東日本大震災の被災地、宮城県山元町にできた臨時災害FM「りんごラジオ」をネットを通じて聴きたいという依頼だった。動いたのは、サイマルの事務局を置く埼玉県鴻巣市のフラワーラジオだ。そこのパーソナリティ、伊藤恵(58)がサイマルの事務局長も務めている。
メールの約3週間後、伊藤は技術担当の早野久則(53)らと被災地の岩手県宮古市内にいた。放送を始めたばかりの臨時災害FMにパソコンを持ち込み、ネットとつないだ。宮古など三陸地方は海に迫る山々にさえぎられて電波が伝わりにくい。そのうえラジオよりスマートフォンを持ち歩く時代だ。ネットにつなげば、より多くに情報が届く。伊藤は東北3県の16の臨時災害FMを次々と支援していく。りんごラジオをネットにつないだのはメールから2カ月後だった。
伊藤は実感する。「地元の鴻巣での普段の放送と同じく、被災者も地域密着の情報を必要とする」。東京電力福島第一原発事故で埼玉に避難した人らも故郷発の放送を聴く。臨時災害FMの放送機材を備えておく動きが、首都圏直下地震などを危惧する東京都の練馬や文京、北、足立の各区などで進む。主にコミュニティーFMのない地域で、FMの素早い情報発信を目指す。
テレビ放送がデジタル化し、FMの使える周波数帯が少し広がったことで、新しいFM局への電波の割り当ても進んだ。昨年の大みそか、東京都府中市に都内14番目のコミュニティーFMが誕生した。ネットにも流し、災害にも対応する。この1年余りで都内で生まれた局は三つ。川や運河の多い品川区も災害に備えて準備する。いざという時、臨時災害FMのような動きができる。そこに国や自治体も期待する。コミュニティーFMが全国で最多の北海道で地震が起きた時もどうだった。(山浦正敬)

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