1月13日 沖縄を考える 音楽家 坂本龍一さん(66)

朝日新聞2019年1月9日30面:「袋だたき」気にせず発言続ける 沖縄との出会いは高校生のころ。民謡にひかれました。インドネシアやアフリカの音楽に興味をもち、大学で民俗音楽も学ぶのですが、その中でも沖縄は、一番近いところにあるけれど、日本とは異なる独自の文化圏があって面白いなと思ったんです。
「臭いもの 遠くに」 東日本大震災の被災地を訪ねてきましたが、その中で、原発と米軍基地は別の問題ではないと考えるようにもなりました。そんなに原発や基地が必要だというなら、東京に造ってはどうでしょう。それでも国家は田舎のもうに押しつけようとする。「臭いものは遠くに」という発想が根底にあると思うのです。それに対して、自然を守りたいとか、自分の土地や生活を守りたいという人は抵抗する権利があります。しかし国家はいつの時代も、お金と暴力でそれを抑圧してきました。まさに今、沖縄で行われていることです。土砂投入が始まって、SNSでは停止を求める署名が広がりました。タレントのローラさんが署名を呼びかけていましたが、偉いですよね。日本では「袋だたき」に遭うのが怖くて口をつぐむ人が多い。ただ、ネット上の一部の人間の暴走をまるで社会の空気かのように感じる必要もないし、テレビ番組がその後押しをすrことも本当はばかばかしい。僕は気にしません。
2015年、30年来の付き合いがある沖縄の歌手、古謝美佐子さんたち4人組「うないぐみ」と沖縄の人々の思いや島々の美しさを歌う曲を作りましたが、その収益を反対運動を支援する「辺野古基金」に寄付しています。米国では、国民の半分近くはトランプ大統領支持ですから、バッシングは日本の比ではない。それでも芸能人やスポーツ選手が政治的な発言をすることが当たり前です。立場を表明しない人はかえって愚かだと相手にされません。
人気俳優のジョージ・クルーニーさんは、ワシントンで人権問題の抗議活動中、警察官の前でスーダン大使館の敷地に平然と入り、逮捕されました。アーティストは、発言や行動に影響力があり、「炭坑のカナリア」のような存在です。彼はここぞという場面でその影響力を使いました。肝が据わっていて、本当に感心しました。
たが外れている政府 世界ではいま、「声がデカい人の意向が通る」という政治が横行しています。真実を追求しようとするメディアには「ウソつき」と繰り返すなど、一方的な対応が目立ちます。反対する者とまともに議論しようとしない日本政府の姿勢は、トランプ大統領のマネをしているんでしょう。たかが外れていますよね。そのことに多くの国民が意識を向けていないことが一番大きな問題です。メディアも懐柔されて言いたいことを言えなくなるかもしれません。僕はリスクは背負って立場を明らかにし、これからも言いたいことは言わせてもらいます。(聞き手・伊藤宏樹)

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