1月11日 高級果物 日豪で通年栽培

日本経済新聞2019年1月7日夕刊1面:季節逆転を利用し実験 アジア富裕層に照準 日豪両政府は2019年4月にも高級フルーツの通年栽培実験に乗り出す。季節の逆転を利用し、年間を通して農作物を生産・出荷できるような仕組みを作る。場所や人材、技術を相互に提供し、農業分野での企業の進出促進につなげる。中国や東南アジアの富裕層をターゲットに絞り、新たな市場の開拓をめざす。安倍晋三首相とモリソン豪首相は18年11月の首脳会談で、具体的な協力の進展を確認した。共同声明では「両国で季節が逆であることを利用し、国際市場への農作物輸出拡大の潜在性を確認した」との文言を盛った。
日豪の新たな農業協力は北半球の日本と南半球のオーストラリアで季節が逆転していることを生かすのが特徴だ。夏秋に育つ農作物を日本が冬の間にオーストラリアで栽培すれば通年の収穫が可能となる。両国間にはほとんど時差がなく、テレビ電話で直接農場を監視したり、指示を出したりできるのも利点だ。具体的には、オーストラリアの北部エアーでメロンの試行栽培を始める。オーストラリア側が土地や栽培ノウハウを提供。日本は福岡県などから民間の地方の生産者を派遣し、技術提供と人材育成にも取り組む。オーストラリア産の品種に日本式の栽培技術を組み合わせ、品質や糖度が保てるかどうか実験する。
エアーが位置する北部クイーンズランド州の他の地域でも通年栽培を広げていく方針だ。メロンのほかにも柿やイチゴの栽培を想定している。政府間の協力で実績を重ね、民間企業の事業参画の誘い水とする。まずは収穫後にシンガポールやタイに輸送し、売り物として適切かどうかの品質評価の検査にかける。
協力対象に高級フルーツを選んだのは、米や牛肉、乳製品の生産では利益がかち合い、双方の国内農業関係者の反発を招く可能性がある一方、果物なら競合する恐れがないと判断した。高級品の贈り物市場はど新たな需要の取り込みも狙える。日本から海外に輸出された果物は2017年で総量4万㌧弱、金額は200億円ほどだ。この5年で数量は2.6倍、金額は3.5倍に急増している。特に中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)のアジア諸国では、高級志向の高所得層が増えた。日本の銀座千疋屋(東京・中央)をはじめ、高級フルーツ販売市場が広がっており、通年販売が可能となればさらなる利益が見込める。
日豪は高級フルーツ以外にも協力を進める。北部準州では大規模なエビの養殖プロジェクトを実施。エアーを含むクイーンズランド州とは17年3月に協力覚書を締結し、18年4月から新品種の大豆の開発も進めている。オーストラリアの北部地域は人口が少なく、開発が遅れている。国土の3分の1を占める広大な土地を持つだけに、豪政府としては日本の技術協力を得て開発を後押ししたい考えだ。

朝日新聞ASAの伸光堂西部販売 森林文化協会

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