1月11日 平成とは 台湾「2」

朝日新聞2019年1月7日夕刊8面:社説どう書く激論 日本は1972年に中国と国交を正常化し、台湾と断交した。中国との共同声明で中国政府を「唯一の合法政府」と承認した。台湾との交流は民間に制限され、総統など首脳の訪日はできなくなったー。李登輝が総統在任中に訪日を望んでも実現しなかったには、こんな経緯がある。李は相当を退任してから「台湾独立」へと志向を強めた。一方で日本は「台湾は中国の領土の不可分の一部」という中国の立場を尊重し、政府は、李の訪日が政治的になり得ることを警戒した。2001年、退任後の李が「病気の治療」を理由に訪日を希望した。政治活動ではない訪日をどう扱うべきか。
私はこの年の4月、米国研修から戻り、中国など国際関係の社説を担当する論説委員になった。忘れもしない4月11日朝。他紙が李への査証(ビザ)発給を求める社説を掲載した。「李登輝氏訪日 私人のビザは淡々と発給せよ」と読売新聞。毎日新聞は「李登輝氏来日 そんなに騒ぐことなのか」。
この日の早朝、論説副主幹から「どうするの。朝日新聞としてどう論じるべきか、プレゼンをしてくれ」と電話を受けた。朝日新聞には各分野の論説委員がいるが、社説は個人の意見を書くわけではない。何を主張すべきかを全員で議論し、論説主幹が論調を決める。それを踏まえて、担当の委員が執筆する仕組みだ。電話してきた副主幹は、当時のデスクワーク担当だった。私が初めて任された「李訪日ビザ問題」は、議論の場である「昼会」で激論になった。
「中国の主権を軽視するビザ発給を認めるような社説を掲載するのは問題だ」「日本の侵略の歴史を振り返ると、ビザ発給は中国人の心を傷つける」などの意見が続出した。むろん、病気治療という人道的な観点から、ビザ発給を支持する声も小さくなかった。(藤原秀人)

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