2月7日 オトナになった女子たちへ 伊藤理佐

朝日新聞2019年2月1日21面:のれん きた~!! 寒い。いや暑い。おーい、どっちなんだよーと、思う。仕事部屋の出入り口の引き戸を開けていると、寒い。閉めると、暑い。着火式のガスストーブだから? あったかさダイレクト。しかし、オクサン、これ猫に大人気。日中、猫2匹独り占め。やめられない。もうひとつ。開けると広く見えるけど、閉めると部屋、狭い。なのでダウンベストを着て、戸をずっと開けているのだが、おい、これでいいんだっけ? 感、満開。プラス、「ねえねえ」と、ヨシダサンが。「あやつ~!」と、ムスメが。突然入ってくる。いいんだけでも。隠し事は無いんだけども。「女でも50になると加齢臭が」とか閲覧してたり、大人向け漫画を描いている時はあわてたりする。隠し事じゃん。とにかく、整えるのに2秒、必要。
でも、戸をガラッとやられてビクッとするのがニガテで・・と、こんなことで大事なナイーブ出してて、さ、寒い・・と、おなじところをグルグル。こういう時はどうしたらいいんだっけ? なんだったけ? なんか知っている気がしていた。ある日、昼寝していて、ぷっと、思い出した。のれん、だ。暖簾。長めの。
起きる。きっと2人の気配も感じるし、少し断熱できて、換気、猫通り、オッケイ。暖簾分ける時、2秒、ある。きっとある。買おう!ん? 暖簾、あるよ。どこかで買ったよ。いつ? 何年か前、どこかの美術館で、だれかの。どこ? だれ? 探してみた。出てきた。なんかかっこいい暖簾、買ってるじゃん! 昔の自分と握手。さっそく、こないだ長さ間違えて買った突っ張り棒でさげてみる。サイズピッタリ! 失敗した自分に拍手。
これが、なんと、いい。すっごくいい。ほどよう断熱&換気。猫、確保。気配、2秒も確保。軽く「結界」。しかも。暖簾を手で二つに割るという、ひとつ増えた日常動作が、なんか「デキル人」「いい人」みたいになるのだ~~! 布を割る時、気持ちが変わる。オクサン、これほんと。暖簾ブーム、きている。うちに。わたしに。 (漫画家)

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